農園経営のための導入提案

いちご農園のスマート化

見回りと水やりの負担を減らし、
栽培の判断を記録に残す

明るい温室内の高設いちご栽培を表現した生成画像
AI生成イメージ。実在農園の写真ではありません。

20a・2棟の架空モデルケース
農園・費用・効果はすべて仮定
技術情報の調査日:2026年10月4日

1棟で確かめ、かん水まで段階的に導入

いちごの果実と点滴チューブを表現した生成画像
AI生成イメージ。実際の設備・栽培実績を示すものではありません。

本資料の農園条件・数量・費用・効果は架空の試算です。製品見積りや実証結果ではなく、導入判断のたたき台です。

モデル農園の課題と、最初に変える作業

想定:高設栽培10a×2棟、家族2人+季節雇用。年間総労働4,800時間。

現状の困りごと(仮定) 導入後の変化 人が続ける判断
温度を見るために何度も往復 センサーの推移をスマホで確認 株の状態と照らして換気等を判断
水やり操作が収穫作業と重なる 制御盤が設定に沿ってかん水 排液・根・流量を見て設定を調整
紙や口頭の記録が散らばる 棟・作業・時間を同じ形式で入力 作業の優先順位と翌週の人員配置
操作を知る人に仕事が集中 手順と変更履歴を共有 異常時の停止と復旧を担当者が判断

自動化後も、収穫・選別・病害虫の観察は続きます。削減対象を絞って効果を測ります。

農園の配置案:A棟から始める

北にA棟とB棟、南に水源設備と作業棟を置く配置概念図
架空の配置概念図。縮尺・方位は説明用。太線は給水、点線は通信。

環境センサーは各棟の代表位置へ。日射センサー、流量計、電磁弁は配線・配管を現地確認して設置します。

図は完成時の構成案。各棟2区画・合計4区画を想定。通信距離、電源、配管圧力、排水経路を施工前に確認します。

環境センサー:数値を栽培判断の手がかりに

測るもの 農園での使い方(提案) 導入時の確認
気温・湿度 夜間の冷え込みや日中の変化を確認 直射や暖房の影響、棟内の位置差
日射・照度 晴天・曇天で管理を見直す材料に 照度の換算値と日射計の値を区別
培地の水分・温度 根の周辺の変化を確認 培地との適合、設置方法、校正
CO2(必要に応じて) 施用している場合の濃度確認 対応機種と保守・校正の費用

確認できた機能:ハウスファーモは環境データをスマホで確認できます。測定項目はタイプごとに異なります。[S1]

出典:S1 ファーモ製品情報 / 調査日:2026-10-04。管理値は品種・作型・生育段階に合わせて決めます。

自動かん水:光に応じて動き、人が確かめる

日射からかん水制御、根への給水、担当者による確認までの仕組み
一般的な仕組みを基にした構成案。実線は制御・作業の流れ、点線は記録。

日射比例は、受けた光の量に応じてかん水の頻度を調整する方法。潅水NAVIでは、日射比例とタイマ方式の切替、電磁弁・ポンプ制御に対応します。[S2]

出典:S2 ニッポー「潅水NAVI」 / 調査日:2026-10-04。通信には別売機器等が必要。S1・S3との自動連携は未確認です。

作業記録:棟・作業・時間をそろえる

確認できた機能:アグリノートは圃場・農作業の情報を記録、集計、共有でき、作業者別の時間集計などを出力できます。[S3]

日付・棟 作業/担当 時間 結果・気づき
10/12・A棟 かん水点検/担当A 15分 A2区画の流量低下。フィルター確認
10/12・A棟 収穫/担当B 120分 収穫量・等級別数量を別欄に記録
10/12・全体 日報確認/経営者 10分 翌日の点検担当を決定

記録例は架空。作業が終わったら入力、終業時に抜けを確認。週1回、棟ごとの時間と収穫量を見直します。

出典:S3 アグリノート公式 / 調査日:2026-10-04。表は提案用の記録例で、実際のアプリ画面ではありません。

導入後の1日:操作から確認へ

タイミング 担当者が行うこと 機器・記録の役割
朝の作業前 夜間の推移、株、配管・排液を確認 測定履歴と前日のかん水実績を表示
収穫作業中 株の異変を観察。異常時は現地確認 設定した条件で区画ごとにかん水
昼の見回り 実流量・排液と設定を照合 センサー値と動作履歴を残す
終業前 作業時間と変更理由を記録 翌日の担当者に情報を引き継ぐ
週1回 時間・収量・不良果・水量を比較 棟別のデータを集計する

通信が途切れたときの現地運転、手動停止、復旧手順を、導入前にメーカー・施工者と確認します。

モデル農園の運用案。通知の有無・条件、停電時の動作は機器の仕様に応じて設計します。

1作を通して確かめる導入計画

段階 実施内容 次に進む条件(提案)
① 準備:導入前4週間 現状の作業時間・水量を記録。電源・通信・配管を調査 基準値と担当者、費用上限を合意
② 見える化:1〜2か月 A棟でセンサーと作業記録を開始 記録実施率90%以上、欠測原因を解消
③ 自動かん水:3〜6か月 A棟2区画で試運転。B棟は比較用に現行運用 流量と排液が安定。手動復旧を確認
④ 評価・展開:7〜12か月 収穫期の効果を評価し、条件が整えばB棟へ 品質維持・作業削減・採算を確認

販売店・普及指導員と設定を見直します。 棟間の生育・日当たりの差を考慮し、比較結果をそのまま機器の効果としません。

期間・基準は架空の計画。定植・収穫の繁忙期を避けて施工し、増設契約は段階ごとに判断します。

導入費用の内訳:全2棟で180万円

項目(すべて架空の予算枠) 初期費用・万円 含める内容
環境センサー 2組 36 温湿度・日射等。構成は選定時に確定
通信機・接続設定 12 園内通信・インターネット接続
かん水制御盤 1式 45 日射入力・4区画の制御
電磁弁・流量計等 25 区画ごとの制御と確認
配管・電気工事 28 既存設備との接続
初期設定・研修 14 栽培設定の調整、操作練習
予備費 20 軽微な追加工事・部材
初期費用合計 180 既存ハウス・ポンプを使用する前提

年間運用18万円=通信・アプリ6+保守・校正8+電気・消耗品4。税抜・補助金なし。ハウス新設、ポンプ更新、融資費用は含みません。実価格は現地見積りが必要です。

費用比較:今回の中心はB案

導入案別の5年間総費用。A110万円、B270万円、C470万円
架空試算:5年間総費用=初期費用+年間運用費×5。税抜・補助金なし。

A:環境測定・作業記録 — 初期60万円/年10万円。
B:A+自動かん水(2棟) — 初期180万円/年18万円。
C:B+換気等の環境制御 — 初期320万円/年30万円。

3案は総額の比較で、足し合わせません。5年間の機器更新は未計上。C案の効果は試算していません。

作業時間の試算:年間510時間の余力

導入前後の年間作業時間。追加保守を含め1080時間から570時間に減る想定
架空のB案試算。かん水操作・環境確認・記録の削減から、追加保守60時間を差し引く。

1,080時間 − 570時間 = 510時間/年
農園全体では4,800時間から4,290時間へ、約10.6%削減を想定。

前提:対象作業を年間300日で集計。かん水108→36分/日、環境確認60→36分/日、記録48→30分/日、保守を年60時間追加。全員分の合計で、実測値ではありません。

効果の試算:時間の価値と現金を分ける

時間の価値:510時間 × 1,500円 = 年76.5万円
水・肥料費の削減6万円 − 追加運用費18万円を加味します。

省力化が人件費削減になる割合 年間の手残り改善 初期180万円の単純回収
0%:すべて家族の余力 −12.0万円 現金収支では回収できない
50%:半分を雇用費等の削減に 26.25万円 約6.9年
100%:全時間が現金削減に 64.5万円 約2.8年

50%ケースの5年累計は −48.75万円(26.25×5−180)。
家族の時間も金額換算する評価では年64.5万円ですが、現金とは別です。

全数値は架空。水・肥料費は年60万円の10%削減と仮定。増収は0、立上げ期間・更新費・税・金利は未計上。定常年の効果を初年から得る計算のため、実際の回収は遅れる可能性があります。

導入判断は、1作分の記録と現地見積りで

判断項目 確認する内容 担当
栽培が安定したか 区画別の流量、排液、収量・等級。不良果の増加がないか 栽培責任者+普及指導員
作業が減ったか かん水・確認・記録に加え、保守時間も集計 現場担当者
トラブルに対応できるか 通信断、センサー異常、弁・フィルター不良時の停止と復旧 施工者+現場担当者
支出と釣り合うか 同じ施工範囲で相見積り。雇用費の削減可能額を確認 経営者

A棟で試す範囲と予算を決め、品質・省力化・現金収支を確認して全棟展開を判断します。

本資料は導入の検討案です。農林水産省の技術カタログも、個別技術の効果を確認・認定するものではないと明記しています。[S4]

技術情報の出典と、試算の読み方

調査日:2026年10月4日(全出典共通)

S1 株式会社ファーモ「ハウスファーモ」
環境データの確認とタイプ別の測定項目(5頁)
https://farmo.info/product/house-farmo/

S2 株式会社ニッポー「潅水NAVI」
日射比例・タイマかん水、制御対象、通信の条件(6頁)
https://www.nippo-co.com/product/kansui-2/

S3 ウォーターセル株式会社「アグリノート」
農作業情報の記録・集計・共有(7頁)
https://www.agri-note.jp/

S4 農林水産省「スマート農業技術カタログ(施設園芸)」
技術の分類と利用上の注意(14頁)
https://www.maff.go.jp/j/kanbo/smart/smart_agri_technology/smartagri_catalog_shisetsu.html

配置・運用・導入計画は提案者の設計案。農園・費用・効果は架空で、引用元の実績ではありません。表紙と2頁の写真風画像はAI生成イメージです。